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東京新聞:刑事罰か医療少年院か 「発達障害」どう考慮?:埼玉(TOKYO Web) を見て [メール投稿]

東京新聞:刑事罰か医療少年院か 「発達障害」どう考慮?:埼玉(TOKYO Web)
 埼玉医科大の横山富士男准教授(児童精神医学)によると、そもそも広汎性発達障害が「犯罪と直結することはない」。他の少年事件などでも犯罪への関連が指摘されることはあるが、「法を犯してしまうのはごくまれなケース」という。

 横山准教授によると、主な症状は言語機能や対人関係、想像力の発達の遅れ。コレクションに強いこだわりを示したり、テレビで見た内容を実行したりすることがある。原因は生まれつきと考えられ、療育を続ければ社会にとけ込めるという。

 公判では検察と弁護側がともに、少年が事件前からナイフを収集し、映画などで見た残虐なシーンを実行しようと考えたと説明。両親は障害に気づかずに刃物を買い与えるなどして、結果的に事件に至ったとしている。

 このタイプのニュースや記事を見ていつも思うことだけど、『そもそも広汎性発達障害が「犯罪と直結することはない」』にも関わらず、弁護側は発達障害の影響を示して減刑しようとする。
 また、「療育を続ければ社会にとけ込めるという」という言及は暗に「療育を続けなければ社会にとけこめず、危険」と言っているように感じられる。
 「両親は障害に気づかずに刃物を買い与えるなどして、結果的に事件に至った」ということは、「障害に気づかないことは危険だ」と言っているようにも感じる。
 発言の仕方、記事の書き方の問題なのだが、発達障害に限らず、弁護士や記者が彼らを守ろうとすればするほど、「特別な配慮が無いと彼らは危険だ」と言っているように感じてしまう。何らかの工夫が必要だと思う。

追記(2013/3/13):
 この問題の分かりにくさについて参考になりそうな論文があった。
【人間文化創成科学論叢 第11巻 2008年 少年非行と障害の関連性の語られ方 : DSM型診断における解釈の特徴と限界 木村祐子】

追記(2013/3/13):
 私の中で広汎性発達障害から非行までの流れは次のようなイメージ。
20130313_1.png
 これは広汎性発達障害に限らず、全ての人に言えることなんだけど、きっかけや強化が無ければ非行には至らず、「広汎性発達障害だから危険」というわけでもない。
 また、「治療する」というのは、この図の一番上を変えるということで、それは間違っているだろうと思う。非行は学習の結果、強化の結果なので行動分析学的なアプローチで弱化すれば良いのだと思う。その弱化の効果的な方法だが、行動分析学的には「罰」を利用するのではなかったと思う。「心を開く」とか精神分析学的な方法でもない。所謂精神科医が得意な精神療法は違う気がする。結果として、弱化になる場合もあるだろうが…。
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自称隊長

発達障害の有無云々に関わらず、社会で生きる一人の人間として、守らなければならないルール、果たさなければならない責務は果たすべきですね。広汎性発達障害を理由に減刑することが、却って彼らの生き方を不自由なものにしてしまうのではないかと心配です。
by 自称隊長 (2013-03-08 22:54) 

正己

自称隊長さん、コメントありがとうございます。
刑事罰を科すには被告人に責任能力が必要ですから、責任能力が不十分な状態では十分な人と比べて減刑しても良いと思います。
私が気にしているのは減刑すべきか否かというよりも、減刑を求める時の理由や、表現方法です。
自分のもやもやをうまく伝えることはできませんが…。
by 正己 (2013-03-09 12:51) 

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