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カネミ油症裁判 患者の訴え棄却 NHKニュース を見て [メール投稿]

カネミ油症裁判 患者の訴え棄却 NHKニュース
21日の判決で、福岡地方裁判所小倉支部の岡田健裁判長は「患者のさまざまな健康被害は、カネミ倉庫が製造した食用油を使ったことで起きたいわゆるカネミ油症によるものと認められ、企業には責任がある」と指摘しました。
そのうえで、「患者は遅くとも昭和44年に問題の食用油の摂取をやめ、問題の発生からすでに20年以上が経過しているため、法律の規定で賠償を求めることはできない」として患者側の訴えを退けました。
この裁判では、患者に一律30万円の治療費を支払うことなどとした和解案を裁判所が示しましたが、患者側は「救済にはつながらない」として受け入れを拒否していました。

 争点は時効が成立するか否か。時効が成立するのは問題が発生してからか、それとも問題に気づいてからかという点なのだろう。詳細は確認してないが、それが争点であれば、以前に似た判例があったような気がする。
 問題が発生したからだとすると、問題に気づけなかった場合に問題だろうということで、気付いてからだという判決になったことがあった気がする。確か最高裁の判例。今は面倒なので調べないが…。
 この裁判は注目かもしれない。

追記:
 記事の続き。
カネミ油症裁判 患者の訴え棄却 NHKニュース
判決のあと、患者と弁護団は北九州市で記者会見し、判決を不服として福岡高等裁判所に控訴する方針を示しました。
この中で、中学生のときにカネミ油を口にして3年前にカネミ油症と認定された長崎県五島市出身の森田安子さん(59)は「カネミ油症で苦しんでいる人たちは最近まで情報を集めることも難しく、自分がカネミ油症だと気付かず、長らく検診があることすら知りませんでした。きょうの裁判では、これまでの体の不調や心の苦しみをくんでもらえませんでした。裁判所とはこんなものかと情けなくなりました。私たちを助けてほしい」と訴えました。
また、保田行雄弁護士は「つい最近までカネミ油症の患者として認められなかった人たちもいるのに、判決は患者として認定される前に裁判を起こせと言っているようなもので、患者に対して不可能を強いるようなものだ」と批判しました。

 弁護士の主張はもっともだと思って、既に判例があったはずだと、ちょっと確認してみたら、気付いた時ではなく、発症した時が除斥期間の起算点とされたようだ。
除斥期間 - Wikipedia
除斥期間の起算点をずらした判例

2004年(平成16年)4月27日最高裁第三小法廷判決、民集58巻4号1032頁 三井鉱山じん肺訴訟

民法724条後段所定の除斥期間は,不法行為により発生する損害の性質上,加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合には,当該損害の全部又は一部が発生した時から進行する。

2004年(平成16年)10月15日最高裁第二小法廷判決、民集58巻7号1882頁 関西水俣病訴訟

水俣病による健康被害につき,患者が水俣湾周辺地域から転居した時点が加害行為の終了時であること,水俣病患者の中には潜伏期間のあるいわゆる遅発性水俣病が存在すること,遅発性水俣病の患者においては水俣病の原因となる魚介類の摂取を中止してから4年以内にその症状が客観的に現れることなど判示の事情の下では,上記転居から4年を経過した時が724条後段所定の除斥期間の起算点

2006年(平成18年)6月16日最高裁第二小法廷判決、民集60巻5号1997頁 北海道B型肝炎訴訟

 乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染しB型肝炎を発症したことによる損害につき、B型肝炎を発症した時が724条後段所定の除斥期間の起算点となるとされた事例

 だから、最高裁判例を使っての主張では勝てないかもしれない。残念。
 でも、やっぱり、発症後に時効成立後まで気付かなかった場合に損害賠償請求できないのは「著しく正義に反する」ような気がする。


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